韓国における山火事への対応と課題:視界不良がもたらす影響
韓国では、増加する山火事に対する対応が急務となっています。しかし、視界不良などの課題がこの対応をより困難にしています。本稿では韓国の山火事対応の現状と課題について詳しく探ります。
山火事対応におけるヘリコプターの現状
韓国では、全国で保有されている中・大型ヘリコプターが31機にとどまっています。この限定された数は、特に山火事の増加に対応する上での大きな制約となっています。視界不良は、老朽化の進む大型機の運用をさらに困難にしている一因です。
ロシア製ヘリコプターの運用停止
中型機の多くを占めるロシア製KA-32は、ロシアとウクライナの戦争の影響で8機が稼働停止中です。これは、山火事対応の迅速性を低下させる要因の一つとされています。
固定翼機導入の課題
山林庁は固定翼航空機の導入を試みましたが、空軍との調整不足や高コストが障害となり断念されています。固定翼機の高空からの放水は精度の問題や地理的制約があり、導入費用も約2000億ウォンと高額です。そのため、複数の大型ヘリを550億ウォンで整備する方が効率的との意見もあります。
夜間消火の現状と課題
夜間消火の期待は高まっていますが、実際は過去2年間で夜間の出動実績はありません。夜間消火が可能な国産スリオンヘリは3機ありますが、視界不良や高圧送電線によるリスク、訓練や安全管理の厳格な基準が大きな障壁となっています。
今後の対策と緊急性
山林庁によれば、「夜間発生の山火事はなかったが、出動準備は整えている」と述べています。しかし、気候変動により火災リスクが増す中で、実効的な体制整備が急務となっています。視界不良への対応も含め、今後の対策が注目されます。