新たな挑戦者・今田光星と震災から14年の思い
2025年3月11日、エディオンアリーナ大阪で行われた大相撲春場所の三日目。新弟子検査を合格した力士たちによる前相撲が行われました。その中で、元幕内力士・安芸ノ州の長男である今田光星(24=音羽山部屋)が、山内(15=田子ノ浦部屋)を突き倒しで下し、プロとしての一勝を上げました。この日は、東日本大震災から14年という節目の日でもありました。
新たな幕開けとしての一歩
「半年ほど部屋で稽古を積み、やっとデビューしたなという気持ちが一番大きい」と今田は語ります。彼の突きは、兄のような存在だという小結・阿炎(30=錣山部屋)を思い起こさせるものであり、まだまだ突き通したかったと悔しさも滲ませました。
柔道から相撲へ、新たな挑戦
今田は元々柔道を小学3年から始めており、相撲の経験はありませんでした。今回の初土俵に立ち、「臨場感があり、相撲の凄さを実感した」と述べています。彼は柔道でも日本武道館で戦った経験があり、「懐かしいライトの感覚だった」と振り返ります。
震災への思いと災害への意識
東日本大震災から14年、当時小学5年生だった今田は都内の自宅にいました。「本当に大きな揺れで、知り合いも東北にいて、昨日のことのように覚えています。あれからもう14年が経ちますが、忘れてはならない」と語ります。また、今年1月に発生したカリフォルニア州での山火事についても触れ、「僕が住んでいたカリフォルニアでも火事がありました。こういったことには常日頃から対策をしないといけない」と述べ、災害への意識の大切さを強調しました。
多才な人物への道のり
今田は安田学園高校を卒業後、文武両道を目指し、語学学校を経て米国ネバダ州立大学に進学しました。彼は宇宙ロケット製造の夢を持ち、宇宙工学を専攻しています。柔道でも全米オープン100キロ級で優勝するなど輝かしい成績を収め、柔道の米国代表入りを打診されたこともあります。
今田光星という人物
2000年(平成12年)9月11日、東京都江東区で生まれた今田光星は、学生時代にわんぱく相撲東京都大会に出場した経験があります。小学5年時に全国少年柔道大会ではパリ五輪90キロ級銀メダリストの村尾三四郎との準決勝で敗れて3位を獲得しました。中学3年時には全国中学校体育大会で団体優勝を果たしています。彼が参考にしている力士は玉鷲で、名付け親は寺尾。弟の光紀は中大相撲部1年生です。身長173センチ、体重120キロという恵まれた体格を生かし、今後の活躍が期待されています。