「生きている実感」を共有する羽生結弦のアイスショー
感動の千秋楽〜「生きている実感」をともに感じて〜
プロフィギュアスケーター羽生結弦さん(30)座長を務めたアイスショー「羽生結弦 nottet stellata 2025」は、3日間にわたる公演日程を宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで終えました。このショーは、東日本大震災から14年を迎える時期に、被災地の東北から希望のメッセージを発信することを目的としていました。スペシャルゲストとして狂言師・野村萬斎(58)さんが参加し、彼の叫びと羽生さんの涙と笑顔で感動の幕を閉じました。
サプライズと心の響き
千秋楽の特別なサプライズとして、野村萬斎さんが「カーテンコール」でマイクを握り、「心を一つにして今生きているっていう実感ありますかー!? 生きていてよかったかー!?」と観客とのコール&レスポンスを行いました。この一瞬に、羽生さんの胸には情熱的な感情が押し寄せ、「生きているって思える幸せを、みんなで共有できました」と語りました。萬斎さんと共に笑い、涙を流しました。
演目が紡ぐ祈りと再生
憧れの人、野村萬斎さんとのコラボレーション演目は「SEIMEI」と「ボレロ」。特に、狂言とラヴェルの舞踏音楽を融合させた「MANSAIボレロ」は、震災が起きた2011年に初演され、「鎮魂」と「再生」のテーマが込められています。リンク中央で神のように舞う萬斎さんの姿は、復興と再生への祈りを捧げるものでした。
臨場感溢れる舞台裏
このショーの演出は野村萬斎自ら行い、6人のスケーターパートは世界的振付師シェイリーン・ボーン氏が担当しました。初めて全員でリンクに立ったのは公演の2日前という過密なスケジュールでしたが、振り付けは逐次変化し、直前までその完成度は高められました。野村萬斎さんを迎えるにふさわしいショーの構成が目ざされ、最後には妥協なき作品が完成しました。
祈り、再生、そして未来へ
羽生さんは、曼荼羅のように育て上げたこの「nottet stellata」を、座長として仲間と共に創り上げました。この地から生まれる祈りと再生の願いを、毎日胸に刻みながら滑っていました。彼の動きは、生きている人間が全力で舞うことで観客が「生きている実感」を得られることを象徴しています。野村萬斎さんと羽生さんが抱き合う姿は、未来への希望の光を象徴するものでした。