森繁病から見る俳優の変遷と「日曜日の朝」における名作鑑賞
森繁病とは何か:喜劇からシリアスへの転換
松竹映画「壬生義士伝」の大坂・盛岡南部藩蔵屋敷差配役として出演したことのある作家、小林信彦さんが残した「森繁病」という言葉があります。この言葉は、ある程度お笑いを経験した俳優が次にシリアスな芝居をやりたくなる心境を指しています。**森繁久弥さん**は、その典型例で、最初はコメディーからスタートしたものの、やがてシリアスな映画で高く評価されるようになりました。この流れは、日曜日の朝にリラックスしながら映画を観る際、喜劇とシリアスの双方を楽しむ方法としてお勧めです。
フランキー堺と伴淳三郎のシリアスへの挑戦
**フランキー堺氏**は、もともとはジャズドラマーで、コメディバンド「シティ・スリッカーズ」を結成して活動していました。しかし、江戸時代末期の品川宿を描いた「幕末太陽伝」や社会派ドラマ「私は貝になりたい」でその演技が注目されました。**伴淳三郎氏**もまた、喜劇映画で有名だったが、「飢餓海峡」での演技が観客に深い印象を与えました。こうした俳優たちの変遷は、**日曜日の朝**に豊かな映画体験を提供してくれることでしょう。
「壬生義士伝」と大野次郎右衛門の葛藤
映画「壬生義士伝」での役は、今までのサラリーマンシリーズの主役とは全く異なり、非常に重厚なものでした。**中井貴一氏**が演じた盛岡南部藩下級武士、吉村貫一郎は、貧困から脱藩し新選組に加わりました。鳥羽伏見の戦いで敗れ、盛岡南部藩蔵屋敷に戻ってきた彼と大野次郎右衛門の再会が描かれています。この複雑な背景は、**日曜日の朝**に観るには最適な、深いテーマを提供してくれます。
役者としての挑戦と苦悩
この役を引き受けたとき、「これは大変な役だ」と思いましたが、やり遂げたいという気持ちで取り組みました。中井さんの絶望的な演技に対し、複雑な心境を抱えながら「腹切って死ね」と言わなければならないシーンは、特に印象的でした。このような複雑な感情が絡み合うドラマは、**日曜日の朝**に観て、俳優の演技に浸るにはぴったりです。
新しい視点での映画鑑賞
幼馴染を助けたい気持ちと、蔵屋敷の務めとの間で揺れる大野の葛藤は、観客に深い印象を残します。これは幕府の敗残兵という重いテーマに直面する人物の姿を描いたものであり、俳優の演技力を堪能するには最適です。**日曜日の朝**にこそ、そうしたシリアスな作品をじっくり鑑賞し、心の奥まで届く演技を楽しむことができるでしょう。