国連総会におけるウクライナ侵攻をめぐる特別会合の動向
ニューヨーク時事報告によると、国連総会は193カ国から成る国際的な集まりで、今後の世界情勢を左右する重要な会議を開催しました。この会議は、ロシアによるウクライナ侵攻が開始されてから3年目にあたる日に開催された特別会合です。
欧州諸国の強調する決議案
欧州諸国から提案された決議案は、ウクライナの主権と領土保全を尊重した形で「戦争の年内終結」の必要性を強調しています。また、ロシア軍の即時撤退を求め、北朝鮮兵の戦闘参加への懸念が盛り込まれています。この決議案には日本や韓国を含む50カ国以上が共同提案国として名を連ねており、国際社会での広範な支持を受けています。
アメリカの独自提案
一方で、トランプ大統領政権下の米国は、これまでの方針を変更し、独自の決議案を提出するに至りました。このアメリカの提案はウクライナ侵攻を「戦争」や「侵略」ではなく、「紛争」と表現することでロシアの非難を避けつつ、紛争の迅速な終結を求めるものです。ルビオ米国務長官は、この提案に対して「全ての加盟国が支持することを強く求める」との声明を表明しました。
安全保障理事会での対応
アメリカは、同様の内容の決議案を国連安全保障理事会にも提出しています。安保理は24日午後(日本時間25日午前)に会合を開き、この決議案について採決する予定です。これは国際的な対立の解消と地域安定化に向けた重要なステップとなるでしょう。
過去の決議と見送られた背景
2023年2月、国連総会はウクライナ侵攻1周年の節目にロシア軍の撤退を求める決議を日米など141カ国多数の賛成で採択しました。しかし、昨年はパレスチナ自治区ガザ情勢を巡るイスラエル擁護とそれによるアメリカの求心力の低下が懸念されたため、決議案提出が見送られました。
今後も、国連総会がどのような形で国際社会に影響を与えていくのか、その動向から目が離せません。