NHK大河ドラマ『べらぼう』で描かれる江戸三大大火「振袖火事」
1月5日からスタートしたNHK大河ドラマ『べらぼう』は、江戸時代中期に活躍したプロデューサー、蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)を主人公に描いた作品です。第1話では、彼が茶屋で働きながら貸本業を営み、女郎たちの悲惨な状況を目の当たりにする様子が描かれています。
「江戸三大大火」の一つ「明和の大火」とは?
『べらぼう』は、大火事に逃げ惑う人々のシーンから始まり、**女郎たちの過酷な状況**がリアルに描写されています。この大火事は「明和の大火」を元にしています。明和9(1772)年、現在の目黒区にある大圓寺で発生し、「目黒行人坂大火」とも呼ばれています。この火事は、明暦の大火(1657年、別名「振袖火事」)や文化の大火(1806年、別名「丙寅の大火」)とともに、**「江戸三大大火」**の一つとされています。
「振袖火事」として知られる明暦の大火
「振袖火事」は、江戸時代初期に発生した大火事で、多くの家屋を焼失させました。この火事は、現在の東京都中心部に深刻な被害をもたらし、多くの死者を出しました。このような大火事は、当時の江戸の街における防火体制の整備に大きな影響を与えました。
大火がもたらした影響と庶民の噂
「明和の大火」により麻布や芝から日本橋、京橋、神田、本郷、下谷、浅草といった**下町一円**が焼失し、死者は約1万5000人にも上りました。この火災の原因は僧による放火とされています。庶民の中では「迷惑な年だからこんな火事が起きた」との噂が広がり、その影響もあってか、火災が発生した年の11月に元号が「明和」から「安永」に改元されました。
九郎助稲荷によるドラマのナレーション
ドラマ『べらぼう』では、九郎助稲荷を演じる綾瀬はるかが語り手を務め、人の姿に変身した狐が吉原について説明します。この語り手は庶民の立場から当時の江戸の状況や大火の背景を描き出し、視聴者に歴史の流れを伝える役割を果たしています。
『べらぼう』は、**振袖火事や明和の大火**を通じて、江戸時代の人々の生活や困難をリアルに描き出し、多くの視聴者に衝撃を与える展開となっています。時代が異なっても、共通する平和への祈りや、予期せぬ悲劇への対応を考えさせる内容がドラマの見どころとなっています。