日本代表町田浩樹の活躍とW杯アジア最終予選について
ユニオン・サン=ジロワーズの勝利
ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)は現地11月28日、ヨーロッパリーグ(EL)のリーグフェーズ第5節でトゥベンテ(オランダ)と敵地で対戦し、1-0で勝利した。スコアの上では辛勝だが、攻守に相手を圧倒した危なげないゲームだった。
4日前、膝の負傷によりルーバン戦(1-1)を欠場したユニオンの町田浩樹は、トゥベンテ戦の88分から左ウイングバックとしてピッチに入り、アディショナルタイムも含めて8分間プレーして、相手の右ウイングを完璧に封じ込んだ。
日本代表町田浩樹の成長
30位だったユニオンはこの勝利で一気に決勝プレーオフ圏内の24位まで順位を上げ、決勝トーナメント・プレーオフ圏内に入った。「再来週に行なわれるニース戦が本当に大事になってくる」。そう言って町田は気を引き締めた。
2024年はまだ1か月残っているが、町田にとって飛躍の年になった。彼が代表初キャップを刻んだのは、23年9月12日、ベルギーのヘンクで開催されたトルコ戦(4-2)と、それほど昔のことではない。190センチの体躯に恵まれ、足もとの技術も高いレフティは、W杯アジア2次予選の対シリア戦以降、7試合連続フル出場を継続中で、今ではすっかり日本代表の主力として貫禄も出てきた。
日本代表の強さとセットプレーへの取り組み
しかも、その強さは圧倒的。アジア最終予選グループC首位の日本は勝点16で、2位のオーストラリアに9ポイント差をつけている。今の日本代表の強さを、町田はどう捉えているのだろうか? 「正直、力の差がありましたけど、苦しい試合でもしっかり勝ちきれる力がついてきている。セットプレー一本で流れを変えることができるのが、今の代表だなと感じます」
多くの選手が口を揃える日本のセットプレーの強さ。しかし、少し前まで「日本はセットプレーから点を取れない」と批判されていたはずだ。 「そうですね。2次予選の時は全然(セットプレーから)点を取れませんでしたが、最終予選になってからだいぶ入るようになった。前田遼一コーチが今、セットプレーのコーチをしているんです。遼一さんのスカウティング通り、練習通りにできているところがありますよね。そして、それを体現できるキッカーもいるし、(競り合いに)強い選手もいますので」