「機動戦士ガンダム」とその名作を彩るクリエイターたち
TVアニメ「機動戦士ガンダム」のトークショー付きセレクション上映会が、2月22日に東京・新宿バルト9で開催されました。このイベントには、庵野秀明氏、メカニックデザイナーの出渕裕氏、アニメ・特撮研究家の氷川竜介氏が登壇し、ガンダムシリーズの魅力とその制作秘話について語りました。
庵野秀明が選ぶ「機動戦士ガンダム」第14話の魅力
庵野氏がセレクションしたのは「機動戦士ガンダム」の第1話、2話、14話。「時間よ、とまれ」と題された第14話を選んだ理由について聞かれると、庵野氏は「富野由悠季さんの特徴がよく表れていて、『ガンダム』らしさが上手く調和しているため」と答えました。特に、アムロがモビルスーツに乗っていない敵を撃つことに戸惑うシーンについて「細かい描写が富野さんらしくて素晴らしい」と述べました。
安彦良和・板野一郎原撮集の貴重なストーリー
2014年12月に「日本アニメ(ーター)見本市」で配信され、本日の上映会でも上映された「安彦良和・板野一郎原撮集」に関するトークも展開されました。原画の特徴について、氷川氏は「安彦良和さんのアニメーションは非常に独特で、そのまま動いた動画は滅多に見られない」とし、生き生きとした筆使いが美しいと強調しました。庵野氏もその企画を支持し、原画の動的表現としての素晴らしさを称賛しました。
庵野秀明にとっての「ガンダム」の意義
庵野氏にとって「機動戦士ガンダム」は「アニメーションの楽しさを再発見させてくれた作品」。彼は当初、「アニメを卒業しよう」と考えていましたが、ガンダムの予告を見て「これを毎週見なければならない」と思い直したそうです。「あのとき観ていなかったら、自分の人生は違っていたかもしれない」と思いを述べ、ガンダムへの感謝の意を表しました。
クリエイターたちの思い出と影響力
上映会の最後に、出渕氏は「機動戦士ガンダム」放送前から期待の作品として注目し、関わりたいと願っていたことを明らかにしました。「ガンダムは私にとって特別な作品であり、庵野さんや氷川さんと舞台でご一緒にお話ができることは非常に嬉しい」と語りました。庵野氏も「影ながら応援していきたい」と述べ、笑顔で締めくくりました。