在日米軍の態勢強化中止に関する米国の検討
近年、アメリカが米軍再編の一環として、在日米軍の態勢強化中止を検討しているという報道が、複数の米メディアからされました。この動きは、特にトランプ政権下での政策の変遷として注目されています。
在日米軍再編計画中止の背景と影響
米国のNBCテレビは、国防予算削減を意識した組織再編計画の一環として、在日米軍の態勢強化が中止される可能性があると報じています。この中止により、約11億8000万ドル(約1750億円)が節減できると試算されています。
しかし、米国防総省内の資料には、中止がもたらす影響についても記されています。それは、米国が日本との間に政治的リスクを抱える可能性や、西太平洋地域において指揮・統制機能の低下が懸念される点です。
バイデン前政権の政策とその変更点
バイデン前政権下では、米軍が自衛隊との指揮・統制面での連携強化を進める方針が決定されていました。この方針には、在日米軍司令部の再編・強化と「統合軍司令部」の創設により、自衛隊の「統合作戦司令部」とのカウンターパートを形成する計画が含まれています。この計画が中止されると、日米両国が目指す抑止力・対処力の強化が停滞するリスクがあります。
米軍再編計画が示す広範な影響
米軍の再編計画は、世界規模での影響を及ぼします。具体的な検討例として、北大西洋条約機構(NATO)の欧州連合軍最高司令官ポストを手放す考えや、米本土・カナダ・メキシコを担当する北方軍と中米・南米大陸・カリブ海を担当する南方軍を統合することが挙げられます。
米国議会からの反発とその背景
このような再編計画に対して、共和党のロジャース下院軍事委員会委員長とウィッカー上院軍事委員会委員長は共同声明を発表しました。声明では、「省庁間プロセスや議会との協力なしに米国の戦闘態勢を大幅に変更することは容認できない。世界中で米国の抑止力を弱め、敵対国との交渉立場を損なう危険がある」と警告しています。この声明は、在日米軍再編の影響が米国の安全保障全体に及ぶ可能性を示唆しています。
以上のように、在日米軍に関する検討は、日本および国際社会に大きな影響を与える可能性があります。その去就が今後どのように展開するか、今後の動向に注目が集まります。