大阪・関西万博の大屋根リング護岸が浸食被害を受ける
2025年に開催される予定の大阪・関西万博における大屋根「リング」の護岸が、海水の影響を受けて浸食被害を確認しました。この問題に関して、会場の運営を担当する日本国際博覧会協会が発表しました。
浸食被害の概要
大屋根「リング」の護岸部分は、海水と接触しているため、浸食の影響を受けました。2023年2月に海水の注入を開始しましたが、未だ始まったばかりであり、強風による波の影響で護岸が浸食されたと推測されています。具体的には、1.1キロにわたる護岸のうち、約600メートルで浸食が確認されています。
被害箇所の詳細
浸食の被害は2箇所で確認されました。『ウオータープラザ』と呼ばれる会場の南側に位置するエリアでは、リングの内側にある約500メートルの護岸のうち、東側約120メートルが影響を受けています。また、『つながりの海』と名付けられたエリアでは、リングの外側に位置する護岸約600メートルのうち、西側約480メートルで被害が見つかりました。これらの箇所では、水面から2メートルの高さまでほぼ土を盛っただけの構造だったため、水際の土がえぐり取られる結果になりました。
浸食の原因と状況
日本国際博覧会協会によると、両エリアでは2023年2月中旬から海水の注入が始まりました。それ以降、強い西風が吹くことで、東側に向かって強い波が発生し、護岸に影響を及ぼしました。また、ウオータープラザでは他のエリアより先に注入を開始しましたが、『つながりの海』との水位差が予想以上に生まれ、外向きの水流が生じたことで浸食が進行したと考えられます。
安全対策の検討
今回の浸食被害に対して、大屋根リングの安全性に直接の影響はないとされますが、予防策として護岸を砕石で覆い、保護する対策が検討されています。このような護岸対策が進めば、今後の浸食被害を軽減することが期待されます。
今後、協会はさらなる調査を進め、効果的な対策について具体的な計画を策定する意向を示しています。