【山本理事長の朝は早い】信念を貫く経営の秘訣
「世の中の流れに逆らおうとも、現場を直視し、信念を貫くことで良い結果をもたらす」。広島市信用組合(シシンヨー)の山本明弘理事長(79)は、こうした信念を持って日々の経営に取り組んでいます。彼は自ら顧客を訪問し、情報収集に努め続けています。多くの金融機関が店舗網の縮小を進めている中で、あえて顧客との接点を増やすことを目指し続けています。就任から20年の間、市信用組合は増収を保ち続けています。
朝の習慣:山本理事長の一日
**山本理事長の朝は早い。**午前3時半の起床から日々の活動が始まります。4時50分にはオフィスに到着し、全35店舗の店長日誌に目を通します。そして、7時から開催される役員会議では、融資案件の可否を決裁します。このように、彼の一日は非常に計画的かつ効率的に進められています。
地域活性化への使命感
山本理事長は「**スピーディーな融資で地域を元気にすることが使命**」と語ります。彼は融資の判断を原則として3日以内に行う体制を整えており、迅速な判断が必要であると感じています。理事長に就任した後も、顧客訪問を続けることで、変わりゆくニーズに応える姿勢を貫いています。
フェース・トゥ・フェースの重要性
デジタル化が進行する中でも、山本理事長は対面でのやり取りに重きを置いています。顧客のニーズをつかみ、信頼関係を築くためには、**フェース・トゥ・フェース**のコミュニケーションが欠かせないという信念を持っています。
地域金融機関としての役割
多くの金融機関が手数料収入を目的に金融商品を提供していますが、広島市信用組合はこれを行わず、住宅ローンに伴う火災保険を除いて商品販売をしない方針をとっています。「地域金融機関は、本来業務である預金と融資に徹するべきだ」との考えからです。
驚異的な経常収益の成長
2024年3月期の経常収益は196億円に達し、21期連続での増収を達成しています。預金に対する貸出金の割合、つまり**預貸率**は24年3月時点で91.3%に達しており、これは国内の143信用組合の平均59.1%を大幅に上回っています。この取り組みは、他の金融機関からも注目され、毎月のように視察が訪れています。