尹東柱と名誉文学博士号授与の特別な背景
韓国における国民的な詩人である尹東柱(ユン・ドンジュ、1917~1945)の日本にある母校、同志社大学では、彼に名誉文学博士の学位が授与されました。この名誉ある授与は、尹東柱の生涯と彼が残した影響に対する特別な敬意を表しています。
名誉文学博士号の授与について
今回の名誉博士号授与は、1875年の同志社大学開学以来、故人に対して初めてとなる異例のものでした。大学関係者は、尹東柱が同志社大学在学中に逮捕され、その後獄死したことに対する自責の念が、この特別な決定の背景にあると説明しています。
尹東柱の名声と詩碑の意義
尹東柱のおいである尹仁石(ユン・インソク)成均館大名誉教授は、聯合ニュースの取材に応じ、「1995年に同志社大学に詩碑が建立されて以来、30年間で尹東柱の影響が日本で大きくなっている」と語りました。今年は、京都市上京区の今出川キャンパスに詩碑が建てられてから30年の節目となり、特別な意義を持った年となっています。
尹東柱の追悼と日韓友好
詩碑の前では尹東柱の追悼式が行われ、韓国の陳昌洙(チン・チャンス)駐大阪総領事も出席しました。彼は「韓日両国の悲しい歴史の中で生き抜いた詩人の生涯を振り返る貴重な時間になった」と述べ、また「韓日国交正常化60周年にあたり、詩人の精神を再確認し、日韓友好のためにさらに努力する」と強調しました。
尹東柱の日本での足跡とその影響
尹東柱は1942年に日本に渡り、立教大学や同志社大学で学んでいました。しかし、ハングルで詩を作ったことから、同志社大学在学中に治安維持法違反の疑いで逮捕され、1944年には懲役2年の刑が確定しました。そして1945年2月16日に福岡刑務所で獄死しています。
没後80年の追悼行事
今年は尹東柱の没後80年にあたり、日本各地でさまざまな追悼行事が予定されています。その一環として、東京の立教大学では今月23日に記念講演会と朗読会が開催され、詩人としての彼の功績とその影響を称えます。
尹東柱の詩は今なお多くの人々に影響を与え続けており、彼の名誉文学博士号授与は、彼の存在が日韓の架け橋になるという意義をさらに深めるものです。