茨城県古河市の水道事業と栃木県野木町の経営統合について
茨城県古河市と栃木県野木町の水道事業の背景
2023年2月6日、栃木県野木町が茨城県の広域水道事業との経営統合を決定しました。古河市と野木町は、これまで長い間水道インフラを共有してきました。この協力関係を深化させるべく、茨城県と野木町は連携の強化を図っています。県はこれまで県内の市町村と水道事業を連携していましたが、県外自治体との統合は今回が初めてであり、全国的にも珍しい事例です。
経営統合の利点と期待される効果
野木町は、**施設の統廃合**、**技術力の確保**、および**国の補助金活用**といったメリットが期待できると述べています。これにより、人口減少が進む中でも安定した水道サービスの提供が可能となると考えられます。統合により、古河市との協力をさらに強化し、水道事業の運営を効率化することが狙いです。
地域の人口動態と水道事業の現状
野木町は栃木県南部に位置し、古河市とは国道4号線やJR宇都宮線を通じて生活圏が共通しています。町の主な水源である思川は、古河市との共有水源であり、1974年から取水施設や「思川浄水場」を共用しています。これにより運営費の約18%を負担していますが、一部の区域では古河市の水道事業の影響を受けている状況です。
古河市と野木町の連携の進展
古河市は2024年の思川浄水場の更新計画を進めており、この更新に伴う事業費は233億円を見込んでいます。古河市は先んじて2023年1月20日に茨城県の広域連携への参加を表明しており、これに応じて野木町も同様の参加を決定しました。
茨城県による広域連携の今後の展望
茨城県は2025年度中に、県内外の7割近くの市町村や水道企業団との合意に向けて動いています。**経営統合による経費削減効果**は、50年間で約1070億円と試算されており、人口減少を背景に水の安定供給のための経営健全化を図ることが求められています。こうした動きは、各市町村の水道事業の革新を促進するものと期待されています。