【25%関税】が影響するホンダの次世代EV戦略
ホンダは2025年1月7日、ラスベガスで開催されたCES 2025にて、次世代電気自動車(EV)『Honda 0(ゼロ)シリーズ』のプロトタイプを発表しました。同時に、新たなビークルOS「ASIMO OS(アシモOS)」とそのロードマップも公開されました。
【25%関税】がもたらす影響とホンダの戦略
カナダへの25%関税は、トランプ政権下で導入された政策ですが、ホンダにとってこれがどのような意味を持つかは気になるところです。2028年にカナダ・オンタリオ州に新設されるEV専用工場の計画が進められている中で、この関税がどのように影響するのかが注目されています。ホンダは、これを機に北米市場でのEV攻勢を強化する方針を示しています。
ゼロシリーズの次世代技術とデザイン
『Honda 0シリーズ』として発表されたプロトタイプは、サルーンとSUVの2モデルから構成されています。サルーンはイタリアンスポーツカーの美しさと広大な室内空間を両立させており、SUVはロボティクス技術を活かした高精度な姿勢推定と安定化制御を具備しています。これらはデザイン性に優れるだけでなく、2026年にはそのままのデザインで市販される予定です。
人間中心のものづくりを支える「アシモOS」
ホンダのモノづくりは常に人間中心であり、新たなビークルOS「アシモOS」はその象徴です。ASIMOというヒューマノイドロボットで得られた知見を生かし、外部環境を認識し人々の意図を理解する技術が車にも搭載されました。この技術により、ゼロシリーズの自動運転や安全性が大幅に向上しています。
Hondaのビジョン:“交通事故死者ゼロ”の実現
ホンダは“交通事故死者ゼロ”を目標に掲げ、AI技術の進化を進めています。特に、Helm.aiの「教師なき学習」によるAI技術は、地域ごとの交通状況を正確に理解し、自動運転の信頼性を向上させるカギとして注目されています。これにより、高速道路でのアイズオフ自動運転を皮切りに、さらに広い範囲で自動運転が可能となります。
充電インフラの整備と充電不安の解消
ホンダは米国において充電インフラの整備を強化しています。IONNA充電ネットワークでは2030年までに3万口、加えてテスラのスーパーチャージャーネットワークを利用することで、約10万口の充電環境を実現する計画です。これにより、ユーザーが充電に困らない環境作りを進めています。
ルネサスとの共同開発で進化するSoC
次世代車両の高性能を支えるために、ホンダはルネサスと共同でSoCを開発。この専門技術を用いることで、ゼロシリーズの潜在能力を最大限に引き出し、低消費電力と高性能を両立させた設計を目指しています。これは、広範なAI処理能力の向上にも寄与しています。
2028年を見据えた未来の展開
ホンダでは、2028年からゼロシリーズの“第2世代”モデルを展開する計画を進めています。これには、コンパクトSUV、スモールSUV、コンパクトセダンが含まれ、広範な市場への投入が予定されています。カナダでの工場稼働開始もこの頃を予定しており、大量生産によるコスト削減と市場拡大が期待されています。この時期の動向は、25%関税の影響と合わせて、ホンダにとって重要な変革のタイミングとなるでしょう。