近藤正臣と下條アトム:演劇への情熱と親子の絆
1959年、映画「男はつらいよ」の“おいちゃん”役のオファーを受けた下條正巳氏に対し、息子アトムさんが「山田洋次監督の指名を受けるべきだ」と背中を押したエピソード。そして、同じく俳優の道を歩むアトムさんが語る、父親である下條正巳氏への思いを中心に、様々な視点から見た演劇の世界について述べます。
下條アトムと父・下條正巳の関係
下條アトムさんにとって父は「手の届かない役者」でした。父親である下條正巳氏は、役者として人間性を重視しつつ、自分に対して常に厳しい姿勢であり続けました。40代から50代にかけて役作りのために歯を抜き、総入れ歯にしたほどの厳しさを持つ姿勢に息子としても影響を受けました。
共演経験と父のアドバイス
親子では「劇団民藝」時代の「アンネの日記」を皮切りにいくつか共演を果たしています。映画やドラマを通じて父親から役者としてのアドバイスを受けることもありました。例えば、山田洋次監督の作品で共演した際には、「山田監督は厳しいぞ」と注意を受けたこともあります。
北野武監督作品と近藤正臣の存在
2015年には北野武監督の作品「龍三と七人の子分たち」で詐欺師役を演じました。共演したベテラン俳優には近藤正臣さん、中尾彬さんがおり、彼らと共に撮影現場での時間を楽しみました。アトムさんにとって、この作品はまさに緊張と喜びが共存する刺激的な仕事であり、父も楽しんでいた様子が見て取れたと語っています。
映画「純平、考え直せ」での新たな挑戦
「純平、考え直せ」ではコンピュータを駆使するインテリホームレス役を演じました。パソコンは得意ではないものの、その役を満喫し、自然体での役作りができたことを嬉しく思っています。撮影中、リアルなホームレスの人々との触れ合いもあり、役への理解を深める助けになったと述べています。
健康への取り組みと充実した日々
役者としての50年以上の経験には、日々の健康管理が欠かせません。野菜と肉のバランスを考えた食生活や、毎日1万歩を歩く習慣を大切にしています。日常の中での最大の楽しみは愛犬との時間で、その柔軟で全てを受け入れる姿勢に学ぶべき点が多いと感じていると言います。
近藤正臣と時代を超えた名優たちとの交流
現場での近藤正臣さんやベテラン俳優たちとの交流は、アトムさんにとって貴重な経験です。厳しさの中にある温かさやプロフェッショナルな姿勢を、一緒に過ごすことで肌で感じることができるといいます。作品を通じた交流が、彼の俳優としての成長を支えていることは間違いありません。