欧州競走馬市場における新たな動向:ユーゴットトゥミーとスパークリングプレンティ
合田直弘(海外競馬評論家)による『世界の競馬』コラムから、注目の競走馬についてお伝えします。
ジョン・サイクス氏とアモ・レーシングの台頭
イギリスとフランスで開催された「タタソールズ・ディセンバーセール」と「アルカナ・ディセンバー・ミックスセール」。それぞれの国を代表する繁殖牝馬セールでは、記録的な高値で馬が購買されました。特にイギリスで最大の話題となったのは、G1愛オークス勝ち馬であるユーゴットトゥミーです。
競りは100万ギニーから始まり、ジョン・サイクス氏を含む購入者たちが参加する三つ巴の争いとなりました。結果、アモ・レーシング社のキア・ジューラブシャン氏が480万ギニー(約9億7655万円)でユーゴットトゥミーを購買しました。この購入によって、ジョン・サイクス氏の存在感も改めて強調されました。
ユーゴットトゥミーの今後とアモ・レーシングの影響
ユーゴットトゥミーは、来季も現役を続行することが明言され、ラルフ・ベケット調教師のもとでさらなる成績を期待されています。競走馬購入において、アモ・レーシングは今後も欧州競走馬市場で存在感を増すことが予想されます。
アモ・レーシングは、競馬界に参入して数年で急速に影響を拡大しています。彼らは最近、名伯楽サー・マイケル・スタウトの拠点であったフリーメイソン・ロッジ・ステーブルスを買い取るなど、着実に勢力を広げています。
スパークリングプレンティ:日本と関わる新たなG1勝ち馬
フランスでの注目はG1仏オークス勝ち馬スパークリングプレンティです。母は著名な競走馬スタセリタの半妹であり、日本のチャンピオンホース・ソウルスターリングの従姉妹にあたります。この系統の結び付きは、日本の競馬ファンにも親しみやすい要素となっています。
この馬はクールモアスタッドのM.V.マグナー氏とそのパートナーによって500万ユーロで購買され、ドーヴィルセール史上最高価格を記録しました。これからのスパークリングプレンティは、米国のチャド・ブラウン厩舎へ移籍し、今後も現役を続ける予定です。さらに、クールモア・アメリカで供用中のジャスティファイと交配するプランもあるという。
未来に向けた期待と注目
ユーゴットトゥミーとスパークリングプレンティが、それぞれ新たなステージでどのような活躍を見せるのか、2025年以降に期待が高まっています。特に日本の競馬界も注目しているこれらの馬たちの動向は、今後も目が離せません。
ジョン・サイクス氏をはじめとする新たなプレーヤーたちが参加する、競馬業界の変化はこれからますます注目されることでしょう。