2023年シーズン:スペインリーグの熾烈な首位争い
今季のスペインリーグは、近年では稀に見る熾烈な首位争いが展開されています。消化試合に多少の差はあるものの、1位と3位の勝ち点差はわずか5ポイントに収まっているのが現状です。しかし、昨季のジローナのようなサプライズはなく、“ビッグ3”が上位を占めています。
グリーズマンとアトレチコ・マドリードの躍進
2位に位置するのはアトレチコ・マドリード(18試合12勝5分け1敗の勝ち点41)で、彼らはクリスマス休暇前の一戦で18年ぶりにバルセロナにアウェーでの勝利を遂げました。公式戦では12連勝中、リーグ戦では7連勝中とヨーロッパでも好調なチームの一つです。
アトレチコの成功の要因の一つとして、何と言ってもこのオフに行われた大型補強があります。特にグリーズマンの復活が大きく影響しており、クラブの将来を担う若手選手たちの成長も後押しとなっています。また、シメオネ監督の戦術変更も成功を導いています。特に総失点がリーグ最少の12点であり、彼のもとで堅守が進化を遂げています。
Rマドリードの戦いとエムバペの復活
現在、昨季の王者Rマドリード(19試合13勝4分け2敗の勝ち点43)が首位を走っています。エムバペは期待に反して加入当初はフィットしなかったものの、センターフォワードとしての役割に馴染み始め、クリスマス休暇前には5試合連続で得点を記録するなど本来の姿を取り戻しています。
エムバペの復活以外にも、攻撃陣が力を発揮し始めています。**ビニシウス**がザ・ベストFIFA2024最優秀選手賞を受賞しその実力を見せ、**ロドリゴ**や**ベリンガム**がゴールを量産しています。一方で、怪我による選手層の厚さを生かし、控え選手たちがチームを支えています。
苦境に立つバルセロナと負傷離脱の影響
3位のバルセロナ(19試合12勝2分け5敗の勝ち点38)は、多数のけが人を抱えながらも優れたスタートを切りました。特にヤマルが見事なアシストを決めるなど、攻撃面での貢献が目立ちました。しかし、そのヤマルが怪我で離脱し、チームの勢いが落ちつつあります。
特にハイライン戦術が対策されつつあり、現在直面している不安材料がさらに深刻化する可能性があります。このままでは下位のビルバオにも迫られる可能性が高まっており、サラリーキャップの問題もあり、今後の試合運びに影響を与えるかもしれません。
過密日程に挑むスペインリーグの後半戦
アンチェロッティ監督は、「優勝に必要な勝ち点は今季は90以下になるかもしれない」と予測しています。この予測は、上位チームが例年よりも拮抗しているため現実味を帯びています。
選手たちは新たな年を迎え、スペインリーグやスーパーカップ、国王杯、欧州カップなどの大会を並行して戦うことになります。過密日程が続く中での勝ち点の取りこぼしが予想されるため、この状況をうまく乗り切ることができるチームが勝ち残ることになるでしょう。後半戦も激しい展開が期待されます。