高校ラグビーにおける歴史的な【両校優勝】の決着方法とその影響
【両校優勝】の背景と現在の決着方法
高校ラグビーでは、一部の試合が同点で終わった場合、決勝を除いて【両校優勝】という結果とせず、抽選により決着がつけられます。この方法は、試合の引き分けの決着として長い歴史を持っています。1934年の第16回大会から時折導入され、1988年度の第68回大会から現行のルールに近い形となりました。最終的にトライ数やペナルティー・トライ数、ゴールキック数の比較を行い、すべて同じ場合は抽選となります。
2024年度全国大会での【両校優勝】的な試合の例
「抽選」が行われた試合の一つに、第104回全国大会での高鍋(宮崎)対大分東明の試合があります。試合は同点の26-26で終了しましたが、抽選の結果、大分東明が次戦進出を果たしました。このような状況においても、「抽選勝ち」や「抽選負け」は本来の勝敗ではなく、便宜上の表現にすぎません。
高鍋高校と檜室秀幸監督の挑戦
高鍋高校を率いる檜室秀幸監督は、これまでに10回の全国大会出場を果たしており、その中で【両校優勝】という形ではない同点を経験しています。彼の指導のもと、チームはシード校と渡り合う力を持ちましたが、抽選により次のステージへ進むことができませんでした。
抽選方式を巡る意見とその安全性への影響
一部の指導者や関係者は、延長戦の導入を検討すべきだという意見もあります。しかし、様々な観点から安全性を考慮し、現在でも抽選が採用されています。過去に淀川工業や阪南高校のような引き分け経験のあるチームもあり、岡本博雄氏も抽選の経験を持っています。彼は、負傷のリスクから延長戦に否定的でした。延長戦を実施した場合、高校生にとって身体的に負担が大きく、怪我の可能性が生じるためです。
ラグビーにおける【両校優勝】の文化と未来
ラグビーはもともと定期戦形式で行われてきた背景があります。過去には勝敗は二義的であり、試合における実力の発揮自体が重要視されていました。現代では、進学やプロスポーツとしての選択肢が広がる中で、「勝敗」がより重要な要素となってきています。檜室監督のように、伝統と現代のバランスを考えつつ指導を行う指導者の存在は、それぞれのチームに厚みをもたらしているのです。